日本酒
- 日本酒日本酒は、日本人にとって
もっとも親しみのあるお酒。
お米をゆっくり発酵させて
アルコールを生み出すというその製法は、
世界でも類を見ないほど複雑だそう。
大きく重厚な造りの酒蔵も
日本ならではの風景として
受け継がれてきました。
- 四季折々の味覚とはもちろん、
穏やかな和の情景と共に楽しめる日本酒。
長い歴史と伝統、
そして日本ならではの情趣が、
日本酒には込められているのですね。
- 日本酒に合う舟木亭
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日本酒の造り方
- 日本酒はビールなどと同じ
醸造酒に分類され、
原料である米を発酵させて
アルコールを生み出したものを言います。
ところがお米には糖分が
含まれていないため、
麹菌の力を借りて、、
発酵させる前にお米のデンプンの
「糖化」という作業を行います。
- そこでお米を糖化し、
さらに酵母を加えて発酵させるのです。
しかもその作業は全く別のものではなく、
並行して行われるというのも日本酒の特徴。
「一麹、二もと、三造り」とも
言われるように、
日本酒が出来上がるまでには、
長く複雑な作業工程があるのですね。
日本酒が出来上がるまでの大きな流れ
- 精米
玄米の外側を25%~50%ほど削り取る。
(吟醸酒の場合50時間)
米の組織を壊さない様に丁寧に
行うのですごく時間がかかります。
- 蒸 精米された米を洗米し、
浸漬させた後で蒸す。
- 麹 蒸米に黄麹菌を繁殖させ、
デンプンを分解してブドウ糖に変える
「糖化」を行わせます。
- 酒母(もと) 酒母とは
水麹(水と麹を混ぜ合わせたもの)と
蒸米に、酵母を加えたもの。
ブドウ糖をアルコールに変える
酵母を大量に培養したもので、
酒の味を左右する
「母」のような存在です。
- もろみ もろみは酒母に麹、
蒸米、水を加えて仕込む。
この工程が、古く室町時代から
行われていたといわれる
「段仕込み」。
- 濾過・火入れ
20日間ほどかけて
熟成させたもろみは、
圧搾機で酒粕と酒に分離されます。
その後濾過・火入れを行い、
貯蔵されます。このように
長い月日と複雑な工程を経て、
日本酒は誕生するのです。
日本酒の種類
吟醸酒 純米吟醸酒
- 吟醸酒―精米歩合60%以下の白米、
米麹、水を原料として造られたお酒。
例えば精米歩合60%なら
100キロあったお米が、
精米後は60キロになってしまいます。
それぞれの味の特徴として
吟醸酒は端麗で飲みやすく、
純米吟醸酒は濃厚で
コクがあるといわれています。
- 「吟醸香」と呼ばれる、
リンゴのような甘い香りが印象的。
これは酵母が発酵する際に作り出す
日本酒ならではの華やかな香りです。
それにしても米から造られるのに
果物の香りが漂うとは?
日本酒の甘い香りは、酵母が創り出す
何とも不思議な香りと言えそうです。
- 最後に醸造アルコールを加えた
吟醸酒は香りが増して味も
キリッと引きしまります。
そのままの純米吟醸酒は
雑味のない米の旨さを充分に
引き出した味になります。
純米酒
- 純米酒―文字通り、白米と米麹、
水のみを原料として造られたお酒。
昔からの日本酒というべきお酒で、
蔵ごとの個性や濃厚な味わいが
楽しめるため
ファンも多い存在です。
本醸造酒―精米歩合70%以下、
米麹、醸造アルコール、
水を原料として造られたお酒。
飲み口もすっきりとして、
ほんのりと甘味を含んだ芳香が
心地よく、とても
口当たりが良いお酒です。
だから日本酒初心者にも
おすすめですよ。
日本酒の楽しみ方
- 「熱燗」「冷や」など、
様々な温度で楽しめる日本酒。
好みはもちろん、そのお酒の香りや
味わいにぴったりの温度も
知っておきたいですね。
- 温める場合
種類 温度 飛び切り燗 55℃ 熱燗 50℃ 上燗 45℃ ぬる燗 40℃ 人肌燗 37℃ 日向燗 33℃
- 冷やの場合
種類 | 温度 |
---|---|
冷や | 常温 |
涼冷え | 15℃ |
花冷え | 10℃ |
雪冷え | 5℃ |
日本酒の保存方法
- 日本酒は、ワインよりも
環境の変化に敏感とも
言われています。
こだわりの専門店などでは、
日本酒をお店の一番奥で、
ライトを消した
冷蔵庫に入れています。
ビールもそうですが、
光が当たらないようにする。
これが日本酒のおいしさを保つ、
最適な保管方法と言えるでしょう。
- 家庭で保管される場合も
冷蔵庫が理想です。
冷蔵庫に入らない場合は、
冷暗所での保管をおすすめします。
大手の日本酒と酒蔵の日本酒
- 酒蔵の日本酒である地酒は、
ほとんどが手作業で、
お米やもろみと
対話しながら造ります。
大手の日本酒は
コンピューター制御で造るので、
品質の安定と供給量も豊富です。、
- その土地ならではの地酒は、
人間の勘や経験を活かして
酒造りを行なうため、
世界でも類を見ないほど
複雑な日本酒造りのすべてを
つかさどる杜氏の腕前は
きわめて重要なものになります。
- そんな地酒の値段は
大手に比べるとどうでしょうか?
一般的に、手作業で行っている
地酒のほうが値段が高いと思われがち。
実はそうでもありません。
- 一部のプレミア付き
有名地酒だけで、
それ以外の地酒は
実は大手のお酒よりも
リーズナブルです♪
そのプレミア付き地酒も、
人の手をわたっていくたびに
値段が上がるので
CMでおなじみ
大手の日本酒と比べて
本来はそれほど
高いものではないといえそうです。
- 手作りの伝統を守り続ける
酒蔵の日本酒。
その長い歴史と伝統、
そして日本の情趣が
日本酒には込められています。
そんな日本人の心を
満たすこだわりの日本酒を
楽しんでみてはいかがでしょうか?